靴と「安全」って関係あるの?

 2005年5月22日の毎日新聞、交通事故の記事に次のようなものがあります。


 同日付の午前4時過ぎに宮城県の国道で、学校行事のウォークラリー中だった仙台育英高校の生徒が交通事故に遭遇。飲酒運転のドライバーが乗る乗用車が高校生の列に突っ込み、生徒3人が死亡、22人が重軽傷を負ったという痛ましいものでした。


 事故直後のニューズ映像には、夥しい数の運動靴が国道上に散乱した状態で残されている様子が映し出されました。


 意識がしっかりしていて元気な人であれば事故後にわざわざ靴を脱ぐということは考えにくいので、被害に遭った生徒が逃げ回る際に脱げてしまったものであると考えるのが妥当なところでしょう。
 この行事は22.5㎞という長距離を歩行する「体育行事」であるはずなのに、多くの生徒が「靴ひもを締め直すことなく、靴が簡単に脱げてしまうような状態」で歩いていて、事故に遭ったことが考えられます。


 もちろん、この事故は飲酒運転していたドライバーの過失により引き起こされたもので、憎むべきは飲酒運転という行為なのですが、もし生徒全員がきちんと靴ひもを締めて履いていれば、危険回避できた人数も増えたのではないでしょうか。

 

 この事故だけでなく、日々報道される事故現場の映像には被害者のものと思われる靴が落ちているものも少なくありません。欧米の事故現場にはこのような光景は殆ど見られないそうです。被害に遭われた方がもし靴をちゃんと履いていたら、逃げることができたかもしれない。そう思うと、本当に本当に残念です。 

 

 靴は、それ自体が危険な道具ということはありません。
 しかし正しい使い方をしなかったために、故障・怪我など足のトラブルの原因となり得ます。また、事故や事件、あるいは天災などから逃げなくてはならない時に靴が脱げてしまい、危険を回避できないということもあり得るのです。

 

 貴方ご自身と、大切な人々、子供たちの将来を守るためにも、みんなでちゃんと靴を履きませんか?

※画像はイメージです。記事の内容とは無関係です。