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指導者ならもっと真摯に

陸上部に所属している、ある女子中学生の練習メニューです。

 

ある日は400m×10本(全力) これを2セット、1本走るごとに400mジョグでつなぐ

 

またある日は200m×20本(全力) 200m×40本という日もあるらしい

 

その女の子は中学1年生で、陸上部に所属してから間もなく生理が止まり、耳鳴りがするようになったとのこと。

酷い時には片方の耳が聞こえないこともあると訴えています。

これは女の子の母親が、学校の指導者とは別の指導者に救いを求めて発覚しました。

 

中学生にこんな練習をさせている指導者は何を考えているのか、理解に苦しみます。

世界レベルのトップアスリートですら200m×10~12本が上限で、それはタイム等も考慮して作られている効率重視のメニューです。

 

女性、特に発達途上にある年齢では過度な身体的・精神的ストレスでホルモンバランスが崩れると身体に深刻な影響を及ぼします。それはその人の将来を、様々な可能性を壊してしまうということです。中学校、高校の指導者は特に留意しなければ、その子供の人生を狂わせることになりかねません。

 

まして、聴覚に障害が出るほどのストレスを与えて平然としているというのは指導者としての資質を疑います。根拠のない練習メニューを押し付け「速くなりたいなら、記録会に出たいなら言うことを聞け」なんて、ただのパワハラ、いじめ以外の何物でもない。

「限界まで追い込んで動けなくさせたほどのメニューを考えたオレはスゴイ」とでも言うのでしょうか?もう時代錯誤とかの問題ではなく、人間として失格です。

 

こんな指導者がいるから、スポーツから離れていく人が後を絶たないんです。

 

人の指導をする、ということは、その時間と今後の時間ひいては人生を預かっているということを肝に銘じなければなりません。征服する、服従させることではないと思います。

 

主役は「アスリート」で指導者は「裏方」です。己の名声、名誉などへの欲は捨てるべきです。本当に素晴らしいコーチなら、評価は後から付いてくるものではないでしょうか。