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「私は幅広・甲高」の妄想

今日ご来店のお客様(インソール作製を希望)の靴もオーバーサイズで4Eでした。

 

実際に測ってみると幅はレギュラーサイズ(2E)で足長は25㎝弱なのにシューズは27.5㎝(しかも4E)!

シューズがこれでは仮に機能付きインソールを入れても意味がありません。シューズサイズ見直しをおススメし、

今日のところはお帰りいただきました。

 

年代性別を問わず、こういう靴を履いている方がとっても多いのです。

 

シューズを買う側が自分のサイズを把握していなければ、ひどいシューズを買わされてしまいます。

 

「日本人の足は幅広・甲高」 ああオレも私も。そう思ったあなた、本当にそうでしょうか。

それは恐らく妄想です。誰かに刷り込まれた、誤った情報です。

この仕事をしていて、本当の幅広甲高の人であったお客様は10人にひとりもいないくらい。

 

殆どの現代の日本人の足幅は狭いのです。しかし実際には大きめ・緩い等のシューズを履いているのが実情です。

それにより足の骨の配列が崩れ、足裏のアーチが落ち、「見かけ」の足幅が広くなっています。

 

試しにカカトを床に着けて爪先を真上に向け、リラックスして自分の足を見てください。幅は広いですか?

次に、立ってご自分の足を見てください。さっきより広がりましたね。

これは体重が足に掛かった結果、足のアーチが潰れて足が横方向に広がっているだけなのです。

本来の足幅ではありません。

 

これからも健康でいたいのなら、緩い・大きめシューズを履いてはいけません。

4Eという幅広シューズを大々的に売り出しているメーカーがありますが、「日本人の足に合わせて」というなら殆どの現代日本人はレギュラーウィズより細いのに、なぜ細め幅のシューズを作らないのでしょうか?

簡単です。メーカーも、シューズ売り場も、「日本人は幅広・甲高」とユーザーの心に刷り込んでおいて、

楽に沢山売りたいのです。

緩くて大きめならサッと履けて楽ですから、お客さんは「ああこれでいいや」と思ってしまいます。

 

しかし、その代償はユーザー側が自らの身体の健康を損なうことで支払わなければなりません。

 

「らくらく・ゆったりサイズ」「履きやすい幅広モデル」などの売り文句に、簡単につられないで下さい。

店によっては「専用ゲージを使ってあなたの足幅を計測します」というところもありますが、その計測結果でその適正なシューズサイズが選択できない可能性が少なくありません。何故か?

メーカーが勝手に作ったガイドに沿ったサイズ選定となるなので、本当に必要な正しいサイズは選べないのです。

そして、最も重要なカカト部分の形状、サイズが合っていなければシューズとしての意味がありません。

 

健康のためにウォーキング、ランニングを、スポーツを始める。とてもいいことです。

しかし、履いているシューズが、あなたの健康を損ねるものかもしれませんよ。