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ピッチが思うように上がらない時は

10月29日の金沢マラソンまで二週間あまりとなりました。出場される当店のお客様も頑張っておられます。

一週間前にはテーパリングに入る方も多いかと思います。最後の調整、ケガなく頑張ってください。

 

ここへきて、思ったようにスピードが上がらないと悩んでいらっしゃるお客様がご来店。

お伺いすると、ピッチが思うように上がらず、どうしたらよいか分からないとのこと。

 

この方は脚の筋力が強く、アベレージスピードも速いのです。

シューズは足へのサポート力を考慮しゲルカヤノを練習だけでなくレースでも愛用。ジャストサイズできちんと

履いています。

 

脚力の強いランナーは普段の練習もスピードモデルのシューズで行っている方が少なくないのですが、

そういう方にも練習ではモーションコントロール性の高い硬めのトレーニングシューズも使用することを

おススメしております。

様々な筋肉をバランス良く鍛えることができますのでランナー膝、駕足炎、シンスプリント、足底腱膜炎などの

故障対策として、とても有効です。

 

さて今回のお悩み「ピッチが上がり辛い」です。脚力で足の回転を速くすればピッチは上がるが、

無理に上げている感じがするのでアドバイスがあったら欲しい、とのこと。

 

シンプルに考えましょう。歩幅を狭くするだけです。これでピッチは上がります。

 

ストライドを稼ごうと歩幅を広げ過ぎると、後ろ足が前に戻って来づらくなるのはお分りでしょうか。

そして前足。重心より前に接地するとブレーキになってしまい、スピードが上がりません。

頭では分かっていても、脳で考える分どうしても動作が遅れてしまい、それがブレーキになってしまいます。

 

ランニングフォーム等を意識した場合、

指令(脳)→伝達(神経)→反応(筋肉)→フィードバック(神経)→分析(脳) となり、

意識と実際の運動の間に「タイムラグ」ができます。

 

ランニングフォームを考えながら走る練習の時使うのが「顕在意識」です。顕在意識は脳で考えているので、

反応としては遅れます。

もちろん、こういった顕在意識下での練習には意味があります。ですから練習での動きが最初は上手くいかないのは当然のことですよね。それが考えなくてもできるようになる(潜在意識領域)ために普段の練習があるのです。

 

しかし、考えすぎると上手くいかずにスランプに陥る場合もあります。特に本番直前は避けたいですね。

 

そこで「無意識」に動けるようにシンプルにしてみてください。「潜在意識下」での動きです。

「歩幅を狭くする」だけなら、脚の動きを難しく考えなくても良いので、ピッチは楽に上がるはずです。

 

ピッチが上がればスピードも上がるので、空中を移動する時間が長くなり、結果としてストライドも広がります。

更にスピードを上げるなら、地面を強く叩き床反力を貰って滞空時間を長くすればストライドも更に伸びます。

目指すところはそこでしょうか。

 

「ピッチを上げる」と考えるよりも「歩幅を狭くする」と考えてみる。

レース中できることは、潜在意識の部分です。顕在意識下の動きは長続きしません。

 

行き詰まった時はシンプルに、無意識にできることをやってみるとうまくいくこともありますよ。

 

ただ毎回言わせていただきますが、適正なサイズのシューズを正しく履くことが大前提です。