· 

ランニングシューズの買い替えタイミング

お客様から、マラソン大会前にシューズを新調するのはダメなんですか?とのご質問をいただきました。

 

レースには新品を使うのが理想的だと思います。シューズは足を入れた瞬間から劣化が始まりますので、

性能だけの話をさせていただけるなら新品が一番です。

市民ランナーの方の「まぁ言うてもやっぱ履きなれたのでないとねぇ」という精神的なものも理解できますので

安心できるもので臨んでいただければと思いますが、後述するふたつに該当したら要注意です。

 

そういえば、以前に「シューズの買い替えタイミングが分からない」という方もいらっしゃいました。

最近はシューズの価格が高騰していることもあり、その基準は個人の事情によりけりな部分もあると思いますが、

目安としては

 

・シューズ踵外側のアウトソールが減って、ミッドソール(白い部分)が出てきた

・アッパーが擦り切れて穴が開いた

 

いずれか該当すれば、もう交換時期です(最近のシューズ、高価いですよねぇ・・・買い替えキツイなぁ)。

 

アウトソールの減り方は個人差があり、それは身体の使い方(ランニングフォーム)などにも影響されます。

例えば動きの左右差が大きく体幹(腹筋)が効いていない方は骨盤が安定しないので力の強い右足の「捻り」の

動きが大きくなる傾向があります。

すると、動きのタイミングを合わせるため軸足である左足の踵部分が接地している時間が長くなり、

それを引きずる感じになるので右足に比べ左足の減りが大きくなる傾向があります。

体幹などの筋肉が使えるかは、シューズの履き方にも影響されます。

 

一般にはシューズの踵部分が1mm減ると、シューズは5°程度、外側へ傾きます。なんだ5°かぁ。いやいや。

そのまま使い続けると膝周りの骨と靭帯が擦れてやがて炎症を起こし、それが膝痛の原因にもなるのです。

 

補修材などで擦り減った踵部分を復活させようと頑張っている方もいらっしゃいますが、硬さなど材質が違うので

身体のバランス感覚を崩す原因となり、気持ちよく走れなくなってしまう場合も多々あるようです。

 

もうひとつ、アッパー素材の劣化があります。

最近のシューズはアッパーの補強が弱い傾向にあるので、劣化すると良いことがありません。

アッパーが劣化すると、ホールド力が落ちるので足がシューズ内で動き、マメ、黒爪の原因になったり

シューズ内外で無駄な力を使うようになるので、疲れやすくなります。

 

劣化の原因ですが、こちらに関してはサイズ選定と履き方が大きく影響します。

小趾(小指)側などに穴が開いたり、皺が寄ったところが擦り切れたりすることがあると思いますが、

適正なサイズを正しく履いていれば、片当たりもせず、アッパーに皺が寄ったりすることは少ないのです。

足が押し付けられるところや皺が寄ったところからダメになっていきますから。

 

 

身体への影響もシューズの寿命も、適正なサイズと正しい履き方で随分違ってくるんですよ。いやホントに。