ランナーが抱える様々な痛み、故障は足元を整えることで解決することが殆どです。
それは間違いないのですが、その他にも原因のひとつとして「上半身の筋力不足」があるようです。
意外に思われるかもしれませんが、上半身(大胸筋など)の筋力が弱いと、ランニング時に上体がブレがちに
なります。
するとそれを安定させようとして骨盤が余計に動いてしまい、その動きが膝への捻じりストレスとなり、
「膝痛」の原因となってしまいます。
その予防策として、手軽にできて効果的なトレーニングのひとつに「腕立て伏せ」があります。
肩胛骨周りやワキの下、大胸筋とその周囲などが鍛えられますので、上体がブレにくくなり、結果として腕や脚を強く振ることができます。
更に、腕立て伏せをする際に両手の間隔を広げておこなうと、背中と胸周りに刺激が入ります。
大体の人は腕立て伏せをすると、30回とか50回とか、なるべく回数をこなそうと意識してしまいます。
すると、力が強くて素早く動かせる上腕二等筋をメインに使ってしまう傾向が見られます。
しかし今回の場合は、大胸筋と肩甲骨周りの筋肉に刺激を入れるのが目的です。
ポイントは、ゆっくりと負荷をかけ、大きく強い筋肉と拮抗する筋肉(使いにくい筋肉)を意識することです。
まずは10回1セット。慣れてきたら2セット、3セットと増やしても結構です。
重力や勢いに任せず、ゆっくり、自分の意思でスピードをコントロールします。これが効くんです。
関節周りの小さい筋肉にも刺激が入ります。それらは関節を保持し、フォームををキープする「縁の下の力持ち」なのです。
ランニングは全身運動です。大きくて強い筋肉や脚周りだけで走っているわけではありません。
そのトレーニングは何のために、そしてどのようにおこなうのか考えること。
それらを積みかさねていくことが、イメージ通りの走りに繋がるんですよ~。