お客様から「シューズフィッティングが自分ではうまくできません」とのお悩みをいただきます。
ランニングシューズのフィット感を得るためには一旦、紐を「締め過ぎかな?」と思うくらいにタイトなフィッティングを行うと、結果としてベストフィットに近いものになり、あとの調整がしやすくなります。
ただし「ちょい締め過ぎ」ができるようになるには、ある程度の経験とテクニックも必要です。
正直なところ、何千何万とフィッテングをしてきたシューフィッターでも、お客様にベストフィットを提供するのは難しいのです。
でもシューレースの「締め過ぎ」という条件を設定することで、
・フィッティングの基準が判りやすい
・締め過ぎた後の微調整がやりやすい
・フィッティングによる土踏まずアーチの形成が自分でイメージできる
上記のようにシューズフィッティングをベストに近づけるきっかけができます。
特に「土踏まずアーチの形成をイメージできる」、これがとても重要なのです。
シューズフィッテングのコツのひとつとして「1番2番のシューホール(紐を通す穴)に集中する」というのが
あります。なぜ最初のふたつの穴なのでしょう?
包帯を巻くコツと同じです。最初のひと巻きが決まれば、巻き終わりまで緩ませずに作業できますよね。
さて、順番にシューレースを締めていきますが、まず一番目の穴同士の間隔を見れば、シューズの幅サイズが足に合っているか判ります。足幅に合わせて締め、一番目の穴の間に皺が寄るなら残念ながらオーバーサイズです。
更に、二番目、三番目の穴を下に辿るとその位置には中足骨があり、そして土踏まずのアーチがあります。
この部分のホールドを確実に作業することで足は横方向において固定されます。
すると足の指は踏ん張らずに済むのでフリーになり、ランニング着地時等にちゃんと動くのです。
逆にここのホールドが緩いと、足の指の動きは極端に悪くなります。横方向にズレ動くのを止めるために、
足の指で踏ん張ってしまうからです。これが黒爪の原因です。